女性同士の会話で『生理が来ても妊娠していることがあるらしい』と話題にのぼったことはないでしょうか?
実はこの情報は、まったくの嘘でもなく、妊娠の知らせとして出血することがあるのです。
生理が来たはずなのに妊娠していた…なぜ?と驚いてしまう女性もいるほど、生理と着床出血は似ていますが、妊娠していないことをあらわす生理とは大きな違いがあります。
着床出血とは
受精卵が子宮の中を漂い、やがて子宮内膜に着床する際に軽い出血が起こることがあり、これを着床出血と呼んでいます。
妊娠初期のごくわずかな期間のみ、限られた方に起こる現象で、妊娠の神秘の一種と言っても良いかもしれません。
どうして着床時に出血するの?
着床する際に、出血することを不思議に感じる方もいるでしょう。
着床のイメージについて、磁石のように子宮内膜にピタッとくっつくと思っている方は多いのですが、実際は子宮内膜の表面ではなく内面に深く根を張るようなイメージでしっかりとくっついているのです。
受精卵は子宮内膜の表面に吸い付くようにくっついているわけではなく、内面に潜り込んで離れないように踏ん張っている、そんなイメージがわかりやすいと思います。
子宮内膜に着床する際には受精卵から化学物質が分泌され、子宮内膜の表面を溶かす動きを見せます。
これは子宮内膜の中の血管と受精卵を結合させ、血液から栄養を補給するための働きです。
子宮内膜の表面と血管を溶かす動きのなかで血管から血液が漏れ出すと生理のような出血を引き起こし、これが着床出血となるわけです。
またもう一つの理由として、妊娠によるホルモンの影響で黄体ホルモンの量が増えるのですが、この黄体ホルモンの分泌量が少なくなってしまうと生理のような出血が一時的に起きてしまう、というものがあります。
妊娠の瞬間をあらわす貴重な現象ですが、たいていの人は着床出血に気づくこともなく、また妊娠時は絶対に着床出血があるわけでもないので、妊娠を望む方で着床出血がなくても心配することはありません。
着床出血の具体的な症状
着床出血は妊娠の瞬間をあらわすと言っても過言ではないほど妊娠初期に起こる現象で、多くの場合生理予定日の1週間~数日前の期間に始まり、出血と言ってもたいての方はそこまで多量の出血にはならず、おりものに血液が混じっている程度の症状となるようです。
このため「予定よりちょっと早いけど生理が来たみたい」と思う人がとても多く、特に生理不順の傾向がある人は気づきにくいという面があります。
黄体ホルモンの影響による場合は、生理予定日と同じくらいの時期に起こるため、こちらは少々わかりにくいかもしれません。
受精から着床までの期間に、女性が自覚する症状はほとんどなく、あっても普段の生理前のような「気分が落ち着かない」「少しイライラする」「眠くて仕方がない」などになってしまうため、この点もわかりにくさを生んでいます。
妊活を計画的にしている人であればさほど驚きもないはずですが、予定外の妊娠などのケースで「生理が来たはずなのに妊娠するの!?」と驚いてしまう人もいます。
女性同士の会話で「生理が来ても妊娠はする」というような話が話題にのぼることがありますが、これは生理ではなく着床出血のことなのです。
着床出血の期間はだいたい1日~3日の短い期間で、現代女性の平均的な整理期間である1週間に比べるとほんのわずかな期間となります。
1度だけ起こる人もいれば数日をまたいで再び起こるという人もいるため、生理不順の傾向が続いている方は生理と着床出血の区別はほとんどつかず、ピンと来ない方が多いようです。
症状についても個人個人で差があり、「おりものが普段よりピンクがかっているかも」「おりものの色が茶系に近い」など、生理初期にもあらわれやすい症状が多く、これも着床出血だと気づきにくい要因になります。
また、「生理の時よりも血の色が明るいかも」と感じる方もいて、やはり症状の個人差が激しいと言えます。
生理時に感じる方が多い”痛み”に似た症状を感じる人もおり、生理痛と同じようにチクチク下腹部が痛む、どんよりした痛みがじわじわ続くなどの声がありますが、大きな痛みになることはほとんどないと言われています。
もし想像以上に大きな痛みを感じるのであれば生理痛や着床出血時の痛みではない可能性も高いので、すぐに産婦人科で診察を受けるようにしてください。
生理と着床出血の見分け方と注意点
生理と着床出血の大きな違いは症状の起こる期間となります。
生理は現代の女性の平均期間が1週間ほどですが、着床出血の場合は1日~数日程度なので期間で区別することが可能です。
黄体ホルモンの影響による場合では、1週間程度続くこともあり、こちらは生理と区別しにくい面があります。
しかし生理不順の傾向がある方はこれに当てはまらないケースが多いでしょう。
妊活をしている方は「着床出血かも!」とピンと来ることがあるかもしれませんが、着床出血が起きてからあまり時間が経ってない時に妊娠検査薬を使うのはやめましょう。
妊娠検査薬の結果の信憑性は生理予定日の1週間後からでないと高くならないので、生理予定日を把握してそれに合わせての使用をおすすめします。
あまり早く使ってしまうと正確な結果が得られず、メンタルの不安定さを生んでしまう可能性もあります。
一般的な妊娠検査薬で妊娠を確認できるのは受精から約3週間程度経ってからですので、あまり思いつめずに時間の経過を待ってみてください。
生理と着床出血の見分け方については出血の症状だけではなく、妊娠初期に起こる症状も起こっていないかを確認することである程度区別することもできます。
妊娠初期に起こる症状の例としては、高温期の状態が続いている、風邪を引いたかな?と思うような症状がある、下腹部や腰に痛みがある、寝ても眠気がなかなかとれない、胸が張って痛い、乳首が敏感になるなどがあります。
これらの症状は生理時にもあらわれやすいのですが、出血の期間や高温期のチェックはわかりやすいので、妊活を始めるならまずは基礎体温のチェックを習慣化するのが良いでしょう。
まとめ
生理と着床出血はどちらも同じような症状を起こしますが、性質は違い、別物になります。
生理が毎月のサイクルをあまり逸れずに順調に来ている方であれば、生理と着床出血の区別をつけることは可能でしょう。
もし、生理のサイクルは順調でも出血の量や色に毎回差があったり、いつもと違う痛みが続いているなどの場合は着床出血を理由としない出血の可能性もあります。
大切なことは普段から自分の体を思いやり、不安なことはできるだけ早いうちに解決を目指すことです。
これは今はまだ妊娠の予定や計画がない方、そろそろ妊活に力を入れたい方どちらにとっても大切なことだと思います。
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