授乳中の痛みや熱に注意!乳腺炎にならないための予防や対処法は?

片方のおっぱいだけが痛みを感じたり、敏感になったりするのが『乳腺炎』という症状です。
新生児に母乳を与える女性が、初めての授乳から約2~3週間程度の期間に一時的に体験するものですが、軽く考えていると思いもよらぬ大事になることがあります。

乳腺炎を疑う症状と兆候

初めての授乳であれば、一般的に乳首やおっぱいがヒリヒリ痛む、敏感になるというのは自然な現象です。
それらに加え、以下のような症状があれば乳腺炎の兆候が出ていると言えるでしょう。

・授乳中に痛みや日焼けの時のようなヒリヒリ感を強く感じる(両方ではなくどちらか片方のことが多い)

・おっぱいが圧迫されているような息苦しさがある

・おっぱいが張っているというより、腫れているような気がする

・おっぱいが全体的に熱を持っている

・疲労感が激しく、体調の不良も見られる

・発熱と悪寒の症状がある

これらの自覚症状があらわれている場合は、できるだけ速やかな対処が必要となるでしょう。

乳腺炎にかかってしまう原因

乳腺炎の原因にはいくつかありますが、代表的なものは3つあり、「母乳の詰まり」「乳管の詰まり」「細菌による感染」となります。

母乳の詰まり

まだ授乳に慣れていない女性の場合、授乳方法を間違っておっぱいを空っぽにすることができず、残った母乳が詰まって感染症の引き金になることがあります。

乳管の詰まり

文字通り乳管が詰まってしまい、母乳がうまく外に出られずに溜まってしまうことで感染を引き起こします。
このケースでは乳管の詰まりを解消しないと症状を改善することができません。

細菌による感染

自身の皮膚や赤ちゃんの口から細菌が伝わり、乳首の皮膚の亀裂や乳管の穴を通して感染を引き起こします。

これらの原因とあわせ、乳腺炎にかかりやすい女性の傾向もあります。
乳首の亀裂が他の女性より深い、授乳中の姿勢が毎回同じである、あわないブラジャーを使用しておりおっぱいが圧迫されている、過去に乳腺炎にかかったことがある、栄養の偏り、疲れやストレスが抜けない、または抜けにくい体質であるなどの特徴があると、他の女性よりも乳腺炎にかかるリスクが高いと言われています。

 乳腺炎の具体的な症状は?

乳腺炎には症状によって「うっ滞性乳腺炎」「化膿性乳腺炎」にわけられます。

うっ滞性乳腺炎

出産後に母乳が大量に作られるようになると、おっぱいが圧迫されるような張りと痛みを感じるようになる症状です。
実はこのうっ滞性乳腺炎の段階は正しく言えば炎症は起きていないため、軽いうちに対処すれば大事にはならないことがほとんどです。
赤ちゃんを出産した女性の多くはこの軽い乳腺炎を体験しているとも言われます。
症状が軽いうちであれば、赤ちゃんがうまく母乳を飲めるように工夫したり、丁寧な母乳マッサージで詰まりを解消することで改善していきます。

化膿性乳腺炎

うっ滞性乳腺炎が軽いうちに対処ができず、乳房の中に細菌が入り込んで炎症を起こすと化膿性乳腺炎になります。
こちらはかなり悪化してしまった状態で、主な症状としては突然高熱と頭痛を発する、乳房にしこりを感じ、そのしこりに触れると痛みを感じる、母乳の色が黄色がかっている、赤ちゃんが母乳をあまり飲まない(味が変わってしまうため)などが挙げられます。
化膿性乳腺炎の恐ろしいところは、重症化すると中の膿を取り出すための切開手術が必要となることと、痛みや熱に耐えなければならない辛さがあることです。

乳腺炎になってしまったら

乳腺炎を早めに改善するために必要なのは十分な休息、そして水分のこまめな補給となります。
疲れやストレスが乳腺炎を引き起こす原因にもなっているため、まずはここを改善しながらおっぱいの詰まりを治していきます。
体が疲れていると免疫も低下してさまざまな病気の引き金になると言われていますが、乳腺炎も同じようにして起こる可能性があるのです。
家事や育児の大変な部分を代わってくれる人がいるのであれば、ゆっくり体を休めることを第一に甘えてしまうのが一番です。
授乳だけはお母さんがしなければならないので、赤ちゃんと一緒に寝ながら添い乳をするなどで対応するのも良い方法です。
水分のこまめな補給は、母乳を詰まりにくい粘度で維持するのに役立ちます。
乳腺炎で高熱が出ている時は特に水分補給を意識し、治ってからもこまめに飲むことが大切です。
冷たい水は体ごと冷やしてしまうので、温かくして美味しさも楽しめるごぼう茶やハーブティーもおすすめです。
乳腺炎になってしまった時にもう一つ重要とされるのが「しこりの解消」です。
赤ちゃんに吸ってもらえば治るという説もありますが、自身での搾乳や専門家のマッサージによる施術がないとなかなか改善しないこともあります。
赤ちゃんへの授乳は継続し、場合によっては自身での搾乳なども交えながらしっかりと母乳を出し切るようにし、炎症を起こした母乳を排出するようにします。
しこりや熱のある部分はアイスノンなどで冷やすようにすると、症状をやわらげて治りも早くすることができます。
どうしても痛みや熱が日常生活の負担になる場合は、鎮痛剤を使用しても良いか医師に相談してから服用するようにしてください。

乳腺炎の予防はできる?

乳腺炎の予防=おっぱいや乳管の詰まりの予防と言えます。
実は乳首には入り口(乳口)が1つだけではなく、10個以上あると言われているのです。
ところが、毎回同じ姿勢で授乳を続けているとよく使われる入り口とほとんど使われない入り口に分かれてしまい、ほとんど使われない入り口が詰まって炎症を起こしてしまうリスクを高めます。
これを予防するために赤ちゃんへの母乳の飲ませ方をいくつかマスターし、ローテーションで授乳をするのがおすすめです。
母乳の飲ませ方の例を挙げると、もっとも一般的な授乳法である「抱き飲み」、授乳クッションなどを用いて横から飲ませる「脇飲み」、赤ちゃんを膝の上に乗せておっぱいの正面から飲ませる「縦飲み」があります。
脇飲みは赤ちゃんの体重が授乳クッションなどに預けられてお母さんの負担も少なくラクな飲ませ方になるため、乳腺炎の予防だけではなく疲れを分散するためにもマスターしてほしい授乳法です。
授乳の際には赤ちゃんがしっかり乳首をくわえているか、赤ちゃんを片方のおっぱいからもう片方のおっぱいに移す時にそれまで飲ませていたおっぱいが空っぽになっているかの確認をしてください。
また、おっぱいの詰まりを予防するため、赤ちゃんが空腹時にはできる限り授乳をするなども有効です。

まとめ

 

乳腺炎は赤ちゃんを母乳で育てている女性なら誰でもなる可能性のある病気です。
特に子育てが初めて・授乳も初めての女性であれば戸惑うことも多く、疲れやストレスをためてしまってそこから引き起こすことも多いものです。
「初めてならわからなくて当然」とリラックスするようにし、徐々に上手な授乳や母乳マッサージを身につけて対応していきましょう。
乳腺炎は日頃の予防と、症状が軽いうちに対処することできちんと改善できる病気です。
赤ちゃんだけではなく自身が健やかに過ごすことで赤ちゃんの体も守っていくことができるので、自分自身の体についても気を配っていくことが大切です。
痛みや熱っぽさの自覚症状が出始めたら、軽いと思っても遠慮せずにかかりつけの医師に相談・診察を受けるようにしてください。

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