妊娠中に性病が判明。赤ちゃんへの影響は?

妊娠中のお母さんは、お腹の中の赤ちゃんへの影響も考えて、ちょっとした風邪薬ひとつにも制限がかかってしまいます。そのため妊娠中は病気にならないよう努めているお母さんが多いですが、十ヶ月もの間、一切病気にかからないというのは案外難しいものです。また、ただの風邪ならまだ対処のしようもありますが、性病ともなると途方に暮れてしまうでしょう。性病にはウイルス性のものや細菌性のものがありますが、ここでは具体的にどのような性病があるのかや、妊娠中に性病にかかった場合の対処法、お腹の中の赤ちゃんへの影響について触れていきます。

 病気の種類

クラミジア

性病には様々な種類がありますが、日本で最も感染者が多いのがクラミジアです。実際にかかった事はなくても、名前を知っているという人は多いでしょう。妊娠中にクラミジアに感染してしまうと子宮頸管炎や絨毛膜羊膜炎を発症しますが、切迫流産や切迫早産にも繋がる可能性があるため、母体だけじゃなくお腹の中の赤ちゃんにも影響を及ぼします。また、クラミジアにかかったまま出産を迎えてしまうと、通常分娩の場合は赤ちゃんに産道感染する危険性があります。赤ちゃんがクラミジアに感染すると新生児結膜炎や新生児肺炎になってしまうので、出産前にしっかり治療しなければなりません。加えてクラミジアは、パートナーもかかっている可能性が高い病気です。ご自身かパートナーがかかっていると発覚した時点で、双方検査をした方が良いでしょう。

カンジダ膣炎

クラミジアと並んで有名な性病として、カンジダ膣炎があげられます。カンジタは性病と思われがちですが、必ずしも性行為によって感染するわけではありません。そもそもカンジダ膣炎の原因となるカンジタ菌は元から人の皮膚・粘膜・腸内に常在している菌なのです。普段ならば女性の膣内は乳酸菌によって酸性に保たれてカンジタ菌が繁殖しにくくなっており、カンジダ膣炎を起こすことはそれほど多くありませんが、妊娠中の女性は免疫力が落ちており、常在菌のバランスも崩れやすくなっているため、カンジタ菌が異常繁殖してカンジダ膣炎になってしまいます。 カンジダ膣炎になると、外陰部のかゆみや、カッテージチーズやヨーグルトのようなおりものが出るなどの症状があらわれます。カンジダ膣炎を治療しないまま出産を迎えると、やはり赤ちゃんに感染する可能性があります。赤ちゃんに感染してしまうと鵞口瘡(がこうそう)や皮膚炎になる可能性があるため、出産までに治療を受けて完治させるようにしましょう。

淋病

おりものが増える、不正出血がある、下腹部が痛むなどの症状が見られる場合は、淋病である可能性があります。しかし女性の場合淋病は自覚症状が乏しく感染したことに気づかないことが多いみたいです。気づかないで放置していると不妊症や子宮外妊娠などの原因になることもあります。また、淋病にかかったまま出産すると約30パーセントの確率で赤ちゃんに感染すると言われています。

梅毒

一昔前に不治の病として流行り、近年ではなりを潜めていた梅毒ですが、最近になって感染する人が増えました。不治の病と言われていたのは昔の話で、現在では完治することができる病気です。梅毒には初期症状の第1期から、末期症状の第4期までがありますが、多くの場合第2期までに完治することが可能です。 梅毒で気を付けたいのは、無症状の場合です。症状があらわれなくとも梅毒に感染している場合は、胎盤を通して赤ちゃんに感染し、先天性梅毒にかかる危険性が高まるため注意が必要です。無症状となると「もしかして感染しているんじゃないか」と不安に思うかも知れませんが、現在では妊娠初期に梅毒検査が必須となっており、妊娠中にかかったとしても薬で治療できるため、それほど心配はありません。

HIV・エイズ

最後にHIV、すなわちエイズについて触れていきます。エイズは免疫力が次第に衰え、身体を守ることができなくなる病気です。免疫は身体が健康を保つ上で欠かせないもので、これが弱くなると健康体であればかからないような病気になってしまいます。現在でも深刻な病気の一つに数えられていますが、HIVにかかった女性であっても妊娠出産は可能です。もちろん適切な治療を受けている、という前提の話ですので、しっかりと医師に相談しましょう。 HIVに感染している女性が赤ちゃんを産む場合、お腹の中の赤ちゃんへもHIVが感染している可能性はあります。もし妊婦がHIVに感染していると気付かないまま出産した場合、赤ちゃんへの感染率は30パーセントと、決して低くはありません。しかし感染が分かっている場合は抗HIV薬を服用し、分娩は帝王切開を選択することになります。また母乳を与えることができないため、赤ちゃんにはミルクを飲ませることになり、さらに赤ちゃんにも抗HIV薬を6週間服用させることで、赤ちゃんへのHIV対策を行えます。適切な対策をとることで、赤ちゃんへの感染率は1パーセント以下に抑えることができるでしょう。 また、時には夫婦のどちらかだけが感染しているというケースもあります。HIVが性行為などから感染することは有名ですが、夫婦どちらかだけがHIVの場合は人工授精や体外受精を行うことで、感染の心配をせず妊娠・出産することもできます。

 性病が疑われる場合は、恥ずかしがらず病院へ

女性の中には、性病を恥ずかしいと感じて病院へ行くことをためらってしまう人がいます。確かに人には相談しにくいデリケートな病気なので、例え病院であっても他人に性病を打ち明けるのは勇気がいるでしょう。しかし妊娠中の女性は、お腹の中に大切な赤ちゃんを抱えている状態です。赤ちゃんを守ることができるのはお母さんだけなので、性病が疑われる場合は恥ずかしがらずに医師に相談をし、適切な検査をしてもらいましょう。 もし性病を放置したまま出産をすると、お母さんの体調が悪化するのはもちろんですが、赤ちゃんへ感染する可能性も多いにあります。例えばお母さんが淋病にかかっているのに治療をせずに放置した場合、約30パーセントの確率で母子感染をし、化膿性結膜炎や尿道炎等を引き起こします。特に化膿性結膜炎が深刻で、赤ちゃんがこの病気を発症すると、目の充血、化膿、まぶたの腫れなどの症状があらわれ、最悪の場合失明してしまうのです。 お母さんが性病にかかったまま出産をする場合、分娩の際に感染する産道感染によって赤ちゃんに何らかの影響を及ぼすケースはとても多いです。また、お母さん自身の身体にも出産時にトラブルが起こる危険性があるため、性病が疑われる場合は必ず医師に相談をしましょう。

 性病は早期発見・早期治療が大事

 

妊婦さんの性病は、早期発見・早期治療が重要です。性病の中には自覚症状がないもの、症状自体が表にあらわれないものもあり、感染に気付かないという女性も決して少なくありません。性病に感染したまま出産を迎えないよう、妊婦検診では性病の検査を行っているため、多くの場合は出産までに適切な治療を行い治すことができますが、中にはこの妊婦検診へいかないという人も居ます。妊婦検診は赤ちゃんの状態はもちろん、お母さんの健康をチェックするためのものでもあるので、必ずいくようにしましょう。 性病の中には、一度感染してしまうと完治することがむずかしく、再度症状が出てきてしまうものもあります。健康な赤ちゃんを安全に出産するだけでなく、お母さん自身が今後も健康な身体で子育てができるようにするためにも、性病をそのままにすることは厳禁です。性病はおりものの状態や不正出血の有無などからも疑うことができるため、日頃から自分の体調はしっかりチェックしておくようにしましょう。

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